投稿日: May 30, 2014 1:41:12 PM
1995年以後、仮にも「オブジェクト指向」的レッテルが貼られなくては時代遅れの技術とみなされる他なく、原論などというものは少なくとも実務界では認められなかった。私は、意味論を重視するDOAから離れたが、流派(DOA、OOA)というものを拒否する態度をとったという自負がある。
30才代の頃に私をうきうきさせ、その後で私を苦しめたモデルらしきものは、実はモデルではなく、記述的意味論を拭い切れていない事がわかってきた。「構文論が先で、意味論は後」こそモデルの要件だと考えるに至った。そして、記述的意味論に愛想をつかし、DOAからは絶対に訣別しようと決心した。
拙著「論理データベース論考」は、SEたちが口をつぐんでいた事を暴いた無作法さと、そういう事に論理的決着をつけようとした焦りが混っている。今になってつくづくわかるのは、あの著作こそ、私が正にモデル論に向かおうとしてその基礎を書きえた書物だが、これを書いた事は妙に自信をつけた。
「論理データベース論考」──あのような大仰な書名については、若気の至りとしか言いようがない。しかし、あんな書名を付けてから13年が過ぎて、あれを読破した読者は10人もいまいと想像する。その本文のほうは──「ゲーデルの定理」(モデル論の原点)を読むための基本知識のまとめである。
(20131201_15 http://togetter.com/li/604772)